Voice of a graduate奨学生の声
— 後輩へのメッセージ —
医工農学総合教育部
修士課程2年
「多くの存在に助けられた大学院生活」
大学院生活は、自分が想像していたよりも大変で、それ以上に楽しみと学びがあった日々でした。
大学院での研究や就職活動、地域のボランティア活動など、自分がきちんと向き合わなければいけないことが波のように迫ってきました。為すべきことが多く、困惑した生活の中で学んだことは、何事も余裕が大切だということです。
本奨学会の支えにより、金銭的な憂いがなく何事にも全力で取り組むことができました。
就職活動においては、昨今のパンデミックなど医療が逼迫した状況の中で自分にできることはなんだろうと考え、医者や看護師など医療従事者のパートナーとして医薬品や医療機器の情報を正確に伝え、医療の発展を支える医療情報担当者として内定を得ることができました。
また、研究では学会へ参加することによって多くの識者の目に触れさせていただくことで、自身の見聞を更に広げ研究に生かすことの重要性を学びました。この姿勢が評価され、学業成績においては総合GPA 3.8を取得することができました。
ボランティア活動においては、地元の少年サッカーチームの指導者として5年間子どもたちと共にサッカーに打ち込んできました。その努力が実り、自分が担当をしていた学年の子どもたちが昨年のJFA第47回全日本U-12サッカー選手権大会山梨県予選においてヴァンフォーレ甲府を下し悲願の初優勝を飾り、全国大会へ出場することができました。
今までの努力が実ったことに対する喜びと共に、子どもたちの成長を傍で実感することができ感無量でした。
これらの大学院生活を悔いなく過ごすことができたのも、ひとえに日々の生活に余裕を与えてくださった赤尾育英奨学会様のおかげです。もし支援がなければ、何かを諦めなければいけませんでした。本当に感謝しています。
これからもこのかけがえのない経験を活かし、更に成長した姿で山梨に帰ってこられる様に、精一杯挑戦していきたいと考えております。
「『好き』が原動力の学生生活」
私の座右の銘は「好きこそものの上手なれ」です。大学卒業間際にして学生生活を振り返ると、この言葉を大切にしている私らしい経験をし、努力した期間であったと感じています。
まず大学受験。食べることや家庭菜園が好きで、食に対して包括的に学びたいと考え、浪人して山梨大学に入学。講義や実験を通して微生物の魅力に惹かれ、乳酸菌に関する研究が出来る研究室に入る。
実験は失敗が続き、卒論執筆までに結果が出ないためテーマを変更。意志を持ち進学したため、学業に妥協せず取り組み、成績優秀者として表彰していただける成績を収める。
甘いものが好きで洋菓子店のアルバイトを始め、4年間続ける。友人と白川郷に行ったことをきっかけに旅行の楽しさを知り、アルバイトで貯めたお金を使い京都や広島を訪れる。就職活動では美味しいもので心休まる時間を提供したいという考えを軸にアイスクリームの製造を行う企業から内定をいただき、来年度から勤務。
上記の内容は、私の4年間を振り返った一部です。何をやるにも楽しみたい、困難な場面でも少しずつ好きになれる部分を探したいと前向きに突き進んだ期間でした。学生生活はあっという間に過ぎ去ります。後輩の皆様にも、自らの意思、特に「好き」という気持ちを原動力に日々を送っていただきたいです。
最後に、学業にも私生活にも常に全力で向き合い、充実した毎日を過ごすことができたのは、貴財団からのご支援のおかげです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
就職先:
食品メーカー
医学部看護学科 3年
「対象者の全人的理解を目指して」
昨年の夏、初めて患者さんを受け持つ実習をしました。それまでの一年半は座学を通して疾患や対象者についての情報収集の仕方を学んでいましたが、実際に自分で一から患者さんが「どんな人なのか」を理解するのはとても難しいと実感しました。
同じ疾患でも苦痛の感じ方や進行具合、疾患に対する思いなどは人によって異なります。患者さんがご自身の人生を自分らしく安全に安楽に過ごすための支援をするためには、看護師が共に考え寄り添えることが前提となります。
実習中は常に受け持ち患者さんのことについて考え、話を聴いたり検査データなどから身体のアセスメントをしたりしました。しかし、たった一週間弱という短い時間の中で全てを理解することは不可能に近いと分かりました。
それでは、どうしたらより的確に広く理解できるのか考えた際に「全人的理解」という言葉を思い出しました。それは、身体や精神などの一側面から対象者をみるのではなく、人格や生活史、社会的立場なども含めた総合的な観点からみるということです、そのことを意識しながら患者さんと向き合うことで、その人らしさを理解し尊重する支援ができると学びました。
実習中は実習に専念するためアルバイトは長期間休むことにしましたが、奨学金を頂いているからこそ安心して励むことができました。来年からは実習がより多くなりますが、全人的理解を目指して努力していきたいと思っています。
「学校生活で印象に残っていること」
私の学部では、ほとんどの日本人学生が大学1年の1年間は英語の基礎を固める授業を受け、2年から自分の専攻した分野を英語で学んでいきます。大学2年に進級してすぐ、授業の変化にとても苦しんでいた時期がありました。
苦手だと感じていた経済学を克服しようと自ら専攻しましたが、私にとってそれはとてもチャレンジングなことでした。しかしある日、同じ専攻のアメリカ人の先輩が声をかけてくれました。
「英語が第1言語でない学生にとって、全て英語で行われる経済の授業は簡単なことではないよね。いつでも教えるから相談しに来てね。」と英語で言ってくれたことが凄く印象に残っています。
専攻以外の勉強も手伝ってくれて、今もとても助けられています。様々な国のたくさんの友達に日々励まされながら、共に勉学に努める素晴らしい環境に出会えたので、大学進学を選んで良かったと毎日感じています。
国際リベラルアーツ学部
3年
就職先:
児童養護施設
「励まされる存在から励ます存在に」
私はこの4年間、とても充実した大学生生活を送ることができました。友だちもたくさんでき、先生方とも良い関係を築くことができました。このような生活を送ることができたのもこの赤尾育英奨学会のおかげです。
今まで赤尾育英奨学会に励まされてきた私ですが、今後は誰かを励ます存在になりたいと思うようになりました。自分の職を通して、誰かを励まし、支えていきたいと思います。
この貴重な4年間で得た経験を活かし、自分らしさを出しながら、仕事をし、誰かを励ますことのできる存在になりたいと思います。
まだまだ駆け出しではありますが、日々学びながら成長していきたいです。きっかけをくださった赤尾育英奨学会にはとても感謝しています。
「看護学部での一年」
今年は看護学部2年になったことにより、より多くの専門科目を学ぶことになりました。定期試験では友人とともに図書館で勉強し、看護師になるための知識がより身についた一年でした。
大学の後期では、山梨中央病院に実習に行き、実際に教科書の中で見た医療機器を見たり、使い方を本物の看護師さんから教わったり、血液データを見て患者さんをアセスメントしたりと、自分が今まで学んだことを実際に使うこともあり、とても学びがいがありました。
その中で、患者さんとコミュニケーションする中で、信頼関係を構築できたこともとてもうれしかったです。初めての本格的な実習で、緊張しましたが、実習の先生たちが細かく知識を教えてくださったことにより、楽しく学べた実習になりました。
また、大学内の英語相談に週一で通い、将来的には医療通訳も出来る看護師になれるよう英語学習にも励んでいます。
そして大学では勉強だけではなく、友人たちと旅行に行ったり、地元の花火大会に行ったりすることもありました、旅行では友人たちと一緒にホテルに泊まったり、おいしい物をたべたりと、とても充実して過ごせました。
大学生活も残り2年ですが、学生生活を楽しんで勉強していきたいと思っています。
看護学部 3年
健康科学部 2年
「アルバイトの思い出」
コロナ禍の中、入学式は開催されたものの、授業はオンラインと対面という形で学生生活がスタートしました、その中でも、先輩たちにも恵まれバイト先を紹介してもらいました。幼稚園から続けているサッカーに携わりたいという想いがあり、地元河口湖クラブチームでコーチをしています。
このバイトを始めたときは学年ごとに声かけを変えることが難しく悩むことが多かったです。回数を重ねるごとに選手たちの反応も見ながらその学年にあった声かけができていると感じています。
普段は、歳が近いこともあり、フレンドリーに話すことが多いですが、練習中は厳しく指導することを心がけています。
大学2年のときには、中学生の鹿島遠征に帯同させていただきました。私も小学生、中学生の時は遠征にたくさん行っていたので懐かしく感じました。きついトレーニングを乗り越えた後の選手達の笑顔や宿舎での選手達と過ごす時間は私にとって、指導者としてとてもかけがえのない時間になったと思います。
「私の学びの機動力」
私は、大学で心理学について主に学びました。心理学の分野である「心理学統計法」や「データ分析」を学んでいる中でデータについて興味を持ちました。そのためデータを扱う仕事に携わりたくメディア・IT系を主に就職活動を行いました。
文系出身であり未経験のためとても大変でしたが自分の軸を大切にし、その結果就職することができました。山梨の会社なのでこれからも山梨に携われることがとても嬉しいです。
以前よりもデジタル化が進み、IT技術が多くの方面で必要とされてきていると感じるので、少しずつ技術力をつけて山梨県のIT発展に貢献できるようになりたいです。今は国家資格を三つ取るために勉強中ですが、これからも自己成長できるように学びを大切にしていきたいです。
大学生活で一番印象に残っているのは課外活動で行っていたラジオ活動です。実際にラジオ局で番組制作や原稿を読んだことは大きな影響を受けました。特に番組制作ではインスピレーションを養うことができたのではないかと思います。そして地元の方に発信することができたのがとても楽しかったです。
このように学びたいことや興味のあることに手を伸ばして実践できたのは、赤尾育英奨学会様のご支援があったからです。背中を押してくれて、そして学ぶ環境・機会を作っていただきありがとうございました。
これからも山梨県に携わり、そして恩返しをしていきたいと思っています。これからも学ぶ姿勢を忘れずに自分を信じて努めていきますので温かく見守っていただけると嬉しいです。ご支援本当にありがとうございました。
就職先:
インターネット関連
保育科 3年
「アルバイトの思い出」
アルバイトを始めて、1年が経ちました。1年経つと、後輩がたくさんできました。後輩と接する機会が多くない私にとって、割と大きな試練でした。仕事内容で質問されることも多く、その説明も難しいと感じることがありました。
しかし、後輩の素晴らしい理解力のお陰で、何とか伝わっています。けれども、私が目指すのは、保育者、教育者です。子どもに何かと伝える人間が、聴き手に頼ってばかりの話し方で良いのかと、思うようになりました。
このような出来事から、私は今、説明することの勉強をしています。気づかせてくれた、バイトの後輩達ありがとう。
「自分を広げることができた2年間」
2年間は学業も努力しましたが、ボランティアや自治会活動など様々な活動に取り組む中で様々な経験をすることができました。
ボランティア活動では、発達障害のこどもの啓発活動を行いました。ボランティア活動に参加している方は普段かかわることがない仕事をしている人や個性的な人などが多く参加していて、経験できない刺激を受け取ることができました。
自治会では、2年生で自治会長となり新入生歓迎会や交流会を行いました。新入生歓迎会ではバレーボールを行いました。参加された方から「楽しかった」「友達ができた」などの嬉しい言葉をいただきました。
会長としてはじめて行う新入生歓迎会であったためバスの予約や景品決めなど自治会員同士、意見が割れるなど問題がありましたが、無事開催することができて良かったと思います。学生同士の交流を深めるお手伝いをすることができたと思います。
学業では、実習で社会福祉実習を行い、自分自身が興味のある障害福祉施設に実習に行きました。実習施設は身体障害メインで受け入れている就労支援施設でした。
実際の現場では身体障害がメインの施設であっても、身体障害と精神障害、身体障害と知的障害、などを併発している方もいらっしゃいました。
実際の現場は、教科書のように障害が綺麗に分けられることは少なく、個人に合わせた支援を社会福祉士が考え行う必要があると考えました。
これらの経験をすることができたのも赤尾育英奨学会の奨学金をいただいたおかげです。これからも勉学をより一層努力し、ボランティア活動や自治会活動を積極的に行っていきたいです。
仏教学部
仏教学科福祉学専攻
文学部 英文学科 3年
「誰もが生きやすい社会にむけて」
私は2年間、赤尾育英奨学会様の支援をいただいたことで、勉学や自分のやりたいことに集中することができました。
私は今大学で英語や英文学の勉強をしていますが、専門的な講義だけでなく、一般教養の講義なども受け、大学での勉強は大変興味深く、充実した日々を送っています。勉強に集中することができたのは、経済的な支援をいただいていたおかげです。
また、友人と一緒に大学内に性的マイノリティのためのコミュニティを作りました。大学は未だ多くの社会的マイノリティにとって安全な場所ではなく、そのような状況の中で少しでも居場所を作りたいと思ったことがきっかけです。
毎週教室に集まって活動しています。このコミュニティ作りは私にとって新しい挑戦であり、とても勇気がいりましたが、今は作ってよかったと思えるようになりました。
今後は、さらに学びを深め、将来に向かって一層努力していくつもりです。私の夢は、私と同じように学校や社会の中で苦しい思いを強いられているクィア(性的少数者)が少しでも生きやすくなるような社会を作ることです。
そのために、大学でたくさん学び、たくさんの人と関わって、今しかない大学生活を大切にしたいと思います。
みなさんも、一度しかない大学生活を楽しんでください。応援しています。