Voice of a graduate奨学生の声

— 拝啓、せんぱい —

拝啓、せんぱい #7 大森美穂さん ハイランドリゾート株式会社勤務

富士急グループの観光部門を担い、山梨県内でホテル・レストラン・ゴルフ場・ブライダル事業を展開するハイランドリゾート株式会社で働く、大森美穂さんにお話を伺いました(内容は、2022年12月のインタビュー当時のものです)。

ニュージーランド留学で
自身の成長を実感

―海外留学では、色々な経験をされたそうですね。

大学1年の夏休みを使って、ニュージーランドのクライストチャーチに1ヵ月間、語学留学をしました。中学の頃から英語が好きで、留学することが夢だったからです。ただ、最初は現地の人たちの話すスピードについていけず、苦労しました。

クライストチャーチ

そこで毎日の自主学習時間を増やしたり、バスの運転手さんやカフェの店員さんなど現地の人たちと積極的にコミュニケーションをとるように心がけました。留学する前は自分の意見がなかなか言えなかったのですが、海外では自分の力で伝えていかないと相手に理解してもらえないので、自身の成長にもつながりました。行動力も上がり、思い立ったらすぐ行動に移せるようになりました。

地域の魅力を知ってもらうため、
様々な活動に取り組む

―大学時代は、ゼミの活動にも力を入れていたそうですね。

大森美穂さん

2つのゼミで活動していました。ひとつは、大学1年の時から『観光・街づくり・地域開発』のゼミに所属し、富士五湖などを中心とした観光ツアーのモデルコースを考え、留学生を対象にしたツアーを実施しました。富士山が見える絶景スポット巡りやグルメツアーなどのテーマを考え、より楽しく、より山梨県を好きになってもらえるようなツアーを企画し、通訳などの案内もしました。

もうひとつの『メディア』のゼミでは、テレビ局の仕事をされていたゼミの先生にインタビューの仕方を学びました。そこで学んだことを活かして、ゼミの仲間と山梨のグルメ情報を発信するグループを立ち上げました。自分たちでお店を訪れて、オーナーや店員さんにインタビューし、Instagramを開設して情報発信をしました。

―ゼミの他に、自身でも活動をされていたのですか?

『くじらっこガイドプロジェクト』というプロジェクトを自分で立ち上げました。地元の山中湖村のために「何かできないだろうか?」と思ったのがきっかけです。

小中学生向けの観光教育プログラムを立案して、山中湖村教育委員会や山中湖観光協会と連携したプロジェクトでした。観光地で暮らす子どもたちが、訪れた人たちに良いおもてなしができることを目的にしたものです。

まず地元の観光名所や歴史などを学び、プロのガイドの協力を得ながら、「ガイドすること」や「おもてなし」についての講義を行いました。ただ、その後コロナが流行してきたため、実際には企画段階までで終わってしまいました。

山梨県地域通訳案内士の
資格取得などにもチャレンジ

―地域通訳案内士の資格を取ろうと思ったのは、どうしてですか?

大学3年の時からコロナ禍でリモート授業になり、学校に行くことができませんでした。アルバイトも制限され、自由に使える時間ができたことで資格取得の勉強に取り組みました。山梨県地域通訳案内士というのは、山梨県に来られた外国人の観光客に、外国語でガイドをする国家資格です。いとこがこの資格を取ってガイドをしているのを見て「カッコいいな」と思い、資格取得を卒業までの目標にしました。

大森美穂さん

試験内容は、観光地の案内を英語で話すだけでなく、救急救助に関する内容なども英語で説明することが求められ、かなり勉強しました。山梨県のガイドブックを買ってきて自分で英訳したり、ガイドのいとこにお願いをして一緒に観光地に出向き、英語で説明するのを聞いてもらったりしました。資格の勉強を通して、知らなかった県内の魅力をたくさん知ることができ、より山梨県が好きになりました。

―アルバイトから今の仕事につながる経験は得られましたか?

大学時代は、山梨放送で生放送のADをしたり、ブライダルや飲食店、美容院など色々なアルバイトをしました。今の仕事を選ぶきっかけになったのは、富士屋ホテルの元調理長の方が始めた高級中華料理店でアルバイトをしたことです。コース料理の出し方やお酒の種類などを学び、お客様に喜んでいただいたことが良い経験になり、将来もお客様満足度の高い仕事がしたいと思って今の会社を選びました。

大学時代の経験を活かして、
ハイランドリゾートへ入社

―ハイランドリゾートに入社した決め手を教えていただけますか?

ハイランドリゾート

山梨県地域通訳案内士の資格を取ったこともあり、地元に貢献したいという気持ちが強くありました。その他、アルバイトでレストランを経験したことで、ホテルマンとしての作法なども学びたいと思いましたし、祖父が『ホテルマウント富士』で働いていたこともあり、幼い頃から思い出深い場所で、地元で一番大きく「イベントがあればここ!」というホテルでしたので、こちらに決めました。

―研修制度が充実しているとお聞きしましたが、いかがですか?

大森美穂さん

入社後は、約1年半かけて様々な部門を経験するジョブローテーション制度があります。私の場合、4月に入社し、まず『ホテルマウント富士』の和食レストランで、和食について勉強しました。

その後、『ハイランドリゾートホテル』のブッフェレストランに配属され、ブッフェのサービスを学ぶために、自分で東京のホテルへ行ってサービスを経験したりもしました。その後、『富士ゴルフコース』のレストラン勤務を経て、現在は『ホテルマウント富士』のフロント業務をしています。海外のお客様も多いので、英語を学び直しています。

―仕事でやりがいを感じたこと、印象に残っていることがあったら教えてください。

やりがいは、お客様が喜んでいただいたのを見て「やってよかったな」と思うことです。入社してすぐの頃、レストランで老夫婦のお客様に「今日は素敵なサービスをありがとう」と言っていただき、翌日の朝食会場でお会いした時に「また会いに来るね」と声をかけていただいたことが、とても嬉しかったです。お客様1人1人とのコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。

―社会人になってみて、学生の時にやっておいた方が良かったと思うことはありますか?

自分のやりたいことは、とにかく学生のうちにやっておいた方が良いと思います。例えば旅行などは、社会人になると長期のお休みがなかなか取れないので、行きたいところに行っておいた方が良いと思います。また、興味がある資格があれば勉強して、ぜひチャレンジしてほしいですね。

―今後の目標について教えてください。

ハイランドリゾートホテル

まず、『レストランサービス技能検定』『ウエディングプランナー検定』などの資格を取ることです。あとは、仕事に直結するかまだわかりませんが、『パーソナルスタイリング』にも興味があるので勉強したいと思っています。

ホテルマンとして、より多くの知識を持ち、どんなお客様に対しても質の良いサービスを提供できるようになりたいと思っています。

奨学金でやりたい夢を実現

―赤尾育英奨学会の給付を受けて良かったことを教えてください。

大学進学にあたって、語学留学が夢だったのですが、母子家庭のため負担をかけたくないという思いがあり迷っていたところ、高校時代の顧問の先生から奨学金制度のことを教えていただきました。ご支援をいただき、夢を諦めずにやりたいことができました。奨学金がなければ、留学することもできなかったと思いますし、大学にも行けなかったかもしれません。本当に感謝しています。

―最後に、奨学金制度を検討している学生へメッセージをお願いします。

自分がやりたいことがあるときは、絶対に諦めないでください。チャレンジすることが大切です。自分ひとりで考え込まずに、誰かに相談することで選択肢が広がるので、ぜひそうしてほしいと思います。

ハイランドリゾート