Voice of a graduate奨学生の声

— 拝啓、せんぱい —

拝啓、せんぱい#10 天野さくらさん 富士吉田市立病院勤務

富士山北麓地域の基幹病院として地域住民の健康を支える富士吉田市立病院。そこで働く、看護師の天野さくらさんにお話を伺いました(内容は、2026年4月のインタビュー当時のものです)。

大学4年間、
じっくり学び、大きく成長

−山梨県立大学の看護学部へ行こうと思ったきっかけは?

『ひらめき☆ときめきサイエンス』(日本学術振興会)という色々な大学の研究成果を小中高生に紹介する参加型体験プログラムがあるのですが、高校生の時、山梨県立大学の研究室の高校生向けプログラムのチラシをたまたま見て、自分で応募しました。

参加してみたらすごく楽しくて、そのとき講師だった先生の下で学びたいという思いが強くなり、山梨県立大学の看護学部に進学することを決めました。

−大学生活で特に印象に残っていることは?

天野さくらさん

大学3年生の秋に行った介護老人保健施設での看護実習です。担当した患者さんが高齢ということもあり、会話での意思疎通が難しく、それでもなんとかして本人の思いに寄り添えたらいいなと思っていたのですが、うまくいかず…。

そこで、家族の方に直接思いを聞いたりしました。すべての患者さんに同じケアをするのではなく、観察やコミュニケーションを通して患者さんの思いや能力を理解し、一人一人に合ったケアが大切であることを学びました。

−大学に進学して良かったと思うことは何ですか?

4年間、時間をかけてじっくり学べたことですね。先生との距離も近かったので、学びやすい環境だったと思います。

学業以外では、バスケットボールのサークルに所属していました。看護学部は授業の予習・復習に加えて課題も多く忙しかったのですが、体を動かすことでバランスが取れていたと思います。

また自治会活動にも参加し、学園祭やオープンキャンパスの運営を行っていました。積極的に色々な人に話しかけ、多くの価値観を得ることができ、その結果、相手の立場になって物事を考えられるようになりました。

天野さくらさん

患者さんが
何を一番大切にしているのか考え、
一人一人に合ったケアを

−現在のお仕事や職場の雰囲気について教えてください。

私はもともと地元で働きたいという思いがあり、富士吉田市立病院に看護師として入職しました。患者さんも地元の方が多く、コミュニケーションが取りやすいです。

入職して最初の1~2週間は一日中研修を受け、その後も月1回の研修が1年間ありました。この病院は教育体制がしっかり整っていると思います。基本的に、1人の看護師が1日5~6人の患者さんを担当していて、私は今、外科と消化器内科と泌尿器科の患者さんを担当しています。

Aチーム・Bチームといったようにチームに分かれて、わからないことがあった時はチームのリーダーに聞くなど相談しやすい職場環境です。同期も先輩も皆優しくて、人間関係に恵まれていると思います。

−看護師として、心がけていることは何ですか?

天野さくらさん

一方的にならないように、常に患者さんと同じ立場に立つことを心がけています。患者さんの訴えをしっかり聞いた上で、本人が何を一番大切にしているのか考えるようにしています。

このお仕事のやりがいは、患者さんの状態が良くなっていく過程を間近で見られることだと思います。

ひとりの患者さんを入院から退院するまで担当するのですが、ある患者さんが大きな手術をした際に、最初はどうしても痛みが強くストレスもあったと思うのですが、本人の思いをじっくり聞いたことで気持ちが楽になったようで、退院の際に「担当が天野さんでよかったよ」と言ってくれたことが、すごく嬉しかったです。

身近に目標とする
先輩看護師がいることで、
モチベーションアップ

−これまでのお仕事で、大変だったことはありますか?

呼吸器をつけている患者さんを担当したことがあるのですが、最初意識がなかったこともあり、会話ができず、本人が何をしたいのか読み取ることが難しかったことがありました。

そこで、チームの先輩看護師の方に相談をしたところ、血圧などわずかなバイタルの変化や、目線や体の動きでわかることもあるとアドバイスをもらいました。言語コミュニケーションができない分、色々な工夫をして乗り越えました。

−今後の目標があれば教えてください。

月に2回、病棟で勉強会があり、チームのリーダーや経歴が長い方が技術や疾患のことを教えるだけでなく、外部の方から抗がん剤などの薬について詳しい説明をしてもらうなど、日々学んでいます。

現在私は、手術の患者さんが多い外科の病棟にいるので、急性期の看護師としてもっとスキルアップして活躍できたらと思います。

天野さくらさん

入職1年目は、プリセプターといって1年間指導してくれる先輩看護師の方がいるのですが、患者さん一人一人に寄り添った看護をしていて、私の目標でもあります。身近に尊敬する人がいると、モチベーションも高まります。

奨学金のおかげで
学業に専念でき、
看護師になる夢を実現

−赤尾育英奨学会の給付を受けて良かったことを教えてください。

奨学金の給付を受けて、アルバイトの時間を勉強に充てたり、必要な教材を購入したり、学業に専念することができました。アルバイトもしていたのですが、実習も多く、実習の期間中はアルバイトができず収入が減ってしまうのでとても助かりました。

−最後に、大学進学を検討している学生へメッセージをお願いします。

最初は助産師に憧れて大学に進学したのですが、色々な講義を受けていく中で、自分とじっくり向き合い、看護師の道に進むことを決めました。大学に入ってからも色々な選択肢がありますので、皆さんもぜひ一歩踏み出してください!

富士吉田市立病院